七夕・・洒涙雨・・2010/07/07 23:45

今日は、五節句の一つ七夕(しちせき)の節句・・・

節句は、季節の節目の式日で伝統行事が行われて来た日ですが、
もともと旧暦で決められた節句は、新暦では季節が違って来るものです。
笹飾りは、すっかり見なくなりましたね。
昔は、近所で笹竹を切ってきたり、花屋さんでも売ってもいました。

新暦(グレゴリオ暦)の現代は,7月7日は梅雨空で蒸し暑い盛りですが、
旧暦の7月7日は、立秋以降になるので初秋となります。
俳句歳時記には、「七夕」は秋の季語に記載されています。
「七夕」が秋の季語とは、感覚のずれが大きすぎるように思えますが。

今朝、カーラジオで・・・・・
「七夕の日に降る雨を、・・さいるいう・・と言います。」
「・・さいるいう・・て?」
「催涙弾の催涙に雨って書きます。」
「へぇ~」

催涙とは、「涙をもよおうすこと。」の意味なので、
涙雨を意味する言葉だとは理解しました。
でも、七夕の織姫と彦星が一年に一度の逢瀬の別れを惜しんで
涙を流している情緒には、催涙弾の催涙では違和感があります。

調べたら、「催涙雨」または「洒涙雨(さいるいう)」というとありました。

洒涙雨の「洒(セイ・サイ・シャ・あら)」は・・・
1.あらう 洗に同意 あらいきよめる すすぐ
2.つつしむ
3.そそぐ 水をかけてあらう ふりそそぐ

あまり馴染みのない漢字で、「洒脱(さっぱりして俗気のないこと)」
「洒落(粋なさま・おしゃれ)」なんて使いますが・・。

織姫と彦星が、別れの時に流す涙には、この漢字の方が
しっくりしませんか。
織姫が袖を振り振り、拭う涙が雨に・・・。

でも、地球温暖化と港湾部への高層建築の乱立が、
狂った豪雨を瞬時に降らす昨日今日は、洒涙雨なんて
言ってはいられません。

今も、外は音を立てて雨が降っています。
二星の間に、由々しき事が発生して、織姫が滝の様な涙を流し、
天の川の水かさが増して、氾濫が発生しているのかもしれない
なんて想像している、今年の七夕さまでした。