根曲がり・・2009/06/04 23:25

昨晩、京都西本願寺の御影堂の修復番組で大屋根を支える「根曲がり」の木の話を聞きました。

根曲がりの木とは、岩肌などの急斜面で豪雪の重みや風雨で根元が折れずに、くの字に生長した木のことです。

真直ぐに生長した木と根曲がりの木の年輪を比較すると、真直ぐな木は綺麗な同芯円を描いており、根曲がりの木は自然の力に抗する必要な箇所の年輪が密になっています。己の力で幹を支える為に補強を施しているのです。

日本古来の木造建築ではこの根曲がりの木の強度を利用して屋根を支える大梁に利用していたのです。
御影堂の大屋根の修復工事では、屋根のカーブにあった根曲がりの木を探すところからスタートしたそうです。

現在の林業では根曲がりの木は車両への積載が不便な為に強度のある部分は切り捨てられたりするそうです。
それ以前に切り出しの手間が大変で捨て置かれているとか・・・

厳しい自然のなかで自らの力で生長する根曲がり木は、素晴らしい生命力を持ち、日本家屋の屋根を支えた来た木だと知りました。

自然淘汰され残った木に、困難に直面した人間の強さ優しさを重ね合わせてしまいました。