マイセン磁器の300年展・・・2011/02/04 23:09

サントリー美術館で開催中の「マイセン磁器の300年展」へ出かけて来ました。。。

2010年の昨年が、西洋磁器の発祥ドイツマイセン磁器製作所が開窯300年の記念の年だったそうです。
今から20年前、ベルリンの壁が崩壊してまだ1~2年たらずの頃、ベルリンからドレスデンを訪れその折にマイセンまで行ってみたのですが、日曜日の旧東ドイツの町は静かで人影もなくどこにもマイセン陶器の店は見つからなくて・・、下調べもしていなかった事もあって、残念な思いをした事があります。

この展覧会は、サントリー美術館をかわきりに来年の夏まで、長野県松本市美術館、
兵庫県兵庫陶芸美術館、大阪市東洋陶磁美術館で開催されるスケジュールの様で、国立マイセン磁器美術館所蔵の素晴らしいマイセン磁器が観賞出来るチャンスだと思います。
マイセン磁器の300年展
やきものは、物理的条件によって「土器」「炻器」陶器」「磁器」の4グループに分かれ、
「磁器」以外は土(粘土)を原料としているのに対して、「磁器」は石を粉砕した材料から作られ、素地は白く吸水性はなく硬く緻密で強度が高いやきもをさします。
磁器歴史は中国の後漢時代の青磁にはじまり、日本ではその技術が伝わったのは秀吉の朝鮮出兵の17世紀初めで、九州有田で磁器が焼かれる様になりました。
さらに、ヨーロッパで東洋磁器に劣らぬ硬質磁器の製法が解明されて初めて焼かれたのは、18世紀初めの1709年です。それがマイセン磁器の歴史の始まりであり、
今回は、時代を追って作品を観賞することが出来て勉強になりました。

ヨーロッパの王宮や美術館で、よく中国の宮廷画が描かれた中国磁器の大壺や柿右衛門様式の有田の大皿が展示されているのに出逢いますが、それらが東洋から西洋へ渡り、西洋磁器の発展へ大きく貢献し、王侯貴族の庇護の元マイセン磁器は東洋のそれとは違う美を継承し今日に至っています。

図録の表紙を飾る「スノーボール貼花装飾ティー・ポット」は、焼成前の磁器の表面に
手捻りの小花をひとつひとつ貼り付けて細工がなされている見事なポットです。
さらに、西洋磁器の大きな特徴は、磁器彫刻とも言えるやきもの素晴らしさ。
ペリカン、インコ、サルなどを磁器で見事に表現していつのに驚ろかされた。
宮廷の動物園「メナージュリ」を磁器で再現しようとしたなんて・・・。
また、マイセンの小型彫刻「フィギュリン」は、それまで砂糖やマジパンで製作されていたテーブル装飾に変るものとして製作されたものだったんです。
「パリの物売り」や「猿の楽団」は、可愛く素敵な作品でした。
フィギュリン

「豊饒の女神ケレス」は、無釉磁器で見事なマット感と、着衣のひだのみごとさに引き付けられてしまいました。ローマ時代の彫刻の様だ・・・。
豊饒の女神ケレス

でも、やっぱり気になるのは上絵付けされた作品の薔薇の図柄。
どうしても上手に、グラデーションが描けない。
3年や4年で描けるわけないけど。。。。
壺
マイセンの薔薇








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