「父は空 母は大地」・・・2013/08/22 20:21

夏休みの初日に絵本作家勝山千帆さんの茶話会で出合った本。。。
「父は空 母は大地」(Chief Seattle's Speech 1854)

アマゾンで検索して対訳版を購入しました。

この本は・・・、
1854年、時のアメリカ政府が3年間の先住民との戦いの末に、先住民の土地を買収し居留地を
与えると申し出、その合意の下、インディアンたちが先祖代々の土地を去る時、
首長シアトルが、白い人・大統領に伝えて欲しいと演説した内容が伝えられたものです。

ワシントンの大首長が土地を買いたいといってきた。

どうしたら 空が買えるというのだろう?
そして、大地を。

大地は わたしたちに属しているのではない。
わたしたちが 大地に属しているのだ。

あなたの子どもたちにも 伝えたほしい。
大地は わたしたちの母。
大地にふりかかることは すべて わたしたち 大地の息子と娘たちにも ふりかるのだと。
                                         (寮 美千子訳 抜粋)

先日、この本を知った時、かなり衝撃をうけました。
アメリカの先住民インディアンと白人入植者による戦いの物語、または、先住民と親しく交わった
入植者の話は、映画やドラマで知る範囲を出ません。
先住民の首長が、大地へ深い愛情を注ぎ無益な戦いを続けるよりは、新しい大地(居留地)で
命を育んでいく道を選び、そして、白い人よ、大地を汚すことなく守って欲しい、それは、
すべての子孫の為にと願ったスピーチの素晴らしさに心が洗われた思いがしました。

寮美千子さんの日本語訳は、声を出して読むと強さの中にも優しさが伝わって来ました。
決して難しい英語でははないので、対訳本を購入しました。

このシアトル首長のスピーチは、伝えられているうちにある部分が削除されたり加えられたりしたそうで、ワシントン州立図書館には50を越える異なったバージョンのテキストが収蔵されていると、
あとがきに記されています。
この本は、「人間と大地の関わり」に深く関係する言葉だけを抜き出して編集したともありました。

すべてが、先住民シアトル首長の純粋な言葉ではなくても、大地への想いは伝わり、
この夏、小さな蔵書が一冊増えたことは、とっても嬉しい出会いでした。