国立劇場歌舞伎公演・・2010/10/19 20:05

久々に歌舞伎公演へ出かけました・・・。
実に10年振り!自分でもびっくりしてます。
何で突然、国立劇場へ歌舞伎を観に出かけたか???
それは、10月の演目に、真山青果の「将軍江戸を去る」がかかるのを知って、
何が何でも観たいと、予約開始と同時にチケットを手配していたのです。

「謎とき徳川慶喜」の著者河合重子さんは、「慶喜ファンになったのは、・・・15歳の時だった。・・・真山青果の戯曲「将軍江戸を去る」を見て、・・・慶喜の凛としたせりふにすっかり感激してしまったのだ。」と書かれていて、それから65年以上、慶喜贔屓を通してこられて著作をまとめられたのです。
そんな河合さんを虜にした慶喜の芝居を、チャンスがあったら観てみたいと思っていました。
そして、中村吉右衛門が20年振りに演じる徳川慶喜と合わせて楽しみに出かけて行きました。
国立劇場10月公演
10月歌舞伎公演

「天保遊侠録」も真山青果作で、勝海舟の父親小吉を主人公にした作品で、
無役の小吉が我が子の将来を考え自身の役付きを画策して上役を接待するが、元来の破天荒な小吉にはしょせん無理。。。
吉右衛門演じる江戸っ子で器用に立ち回ることが出来ない小吉の父として息子を思う気持ちと、江戸っ子の気概が伝わってくる舞台でした。

さてお目当ての「将軍江戸を去る」は、第二幕第二場上野大慈院の場からが
よかった。
慶喜の思いと山岡鉄太郎の「尊王ではなく勤王たれ」との命がけの諫言。
最後の千住の大橋の場で、慶喜が山岡に「勤皇の大儀は決して忘れぬ」と声を掛け、橋板に足をかける慶喜に山岡が「それが江戸の地のさいはてでござります・・。その足の御一歩が、江戸の地の限りでございます。」と声を発し、
慶喜が「天正8年・・徳川家康江戸城に入り、慶応4年4月11日徳川慶喜江戸の地を退く。・・・・・江戸の地よ、江戸の人よ、さらば・・・。」と・・・。
真山作品はせりふまわしが泣かせると聞いていたが、徳川の終焉、江戸を去る最後の将軍慶喜の最後のせりふは心に残る。
千住大橋を渡る後姿の慶喜で幕となる。慶喜贔屓には涙涙の幕。。。
半藤さんならずとも、江戸贔屓には心に残る新歌舞伎作品であると感激。
終演後、江戸城を半周してしまった。。その話は明日・・・。

久々の歌舞伎の舞台での吉右衛門は、やっぱり鬼平のイメージが強いから
慶喜より小吉役がよかった。染五郎の山岡鉄太郎役も好演だった。
20年前には片岡仁左衛門(現)が山岡を演じたそうだが、それも観たかったな。。。


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